TOP > feature > vol.10【ESSENTIAL WATER.2】
宝石染め・BOTANICALDYE
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洋服を作るために膨大な量の水が使われている事実。このことを受け止め、少しでも地球のために何かできたら……。 その思いからはじめた、極力水を汚さず染めるボタニカルダイと宝石染め。 小さな一歩を、その1枚から。

纏う宝石

今シーズン、エシカルな試みとして新たに取り入れたのが、屑石をアップサイクルした「宝石染め」。商品にはならない宝石の欠片をパウダー状に粉砕して銅やクロムなどの媒染剤を使わずに染める、日本でも数少ない工場でしかできない特殊な技術です。素材の粒子の吸着率をほぼ100パーセント限界まで高め、染色料後に分離して残った水がは色透明。そのまま排出することができるので、環境に寄り添う手法としても注目を集めています。

数ある天然石から選んだのは、ラピスラズリとピンクトルマリン。夜の海を思わせるダークブルーのラピスラズリは、守護や前進。澄んだペールピンクがセンシュアルなピンクトルマリンは、愛情や浄化……。それぞれに秘めたパワーを持つのも天然石ならでは。目には見えない、“宝石を着る”ということ。ひそやかな輝きがもたらす高揚感と日常を過ごして。

BOTANICALDYE
植物から抽出した自然由来の染料で染める、サステナブルなものづくり。もちろん、発色の美しさにも秀でています。

自然がもたらす色の効能

色を纏うことは、印象を纏うこと。華やかさだけでなく、やさしさや凛々しさだって引き出せる。着る人の気持ちもまた、同じように呼応する。だから、私たちは色が持つポテンシャルを大切にしています。それを象徴するのが、ボタニカルダイ。植物から抽出した自然由来の染料を使い、媒染剤を使わずタンパク質で定着させる技術を用いた染色方法です。特殊な技術で染め終わった後の水が無色透明という、未来を見据えたサステナブルなものづくりにも共感しています。

今シーズンは、食用花でもあるマリーゴールド、ローズ、パンジーから天然の色を丁寧に抽出。驚くほど繊細、かつ深みのあるフレッシュなカラーは、自然界がもたらす偶然の産物。野生で力強く、儚く生きる花々の“色”に身を包む。それは、格別なムードと、やさしい気持ちをもたらします。

宝石や花など、自然界にある美しいもので染め、使用した水はまた自然に還る。 身も心も豊かに彩る服を気持ちよく纏うことが自ずと環境にもいい影響をもたらす。 そんなポジティブな連鎖を願って生まれた、環境に優しいサステナブルなシリーズです。

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